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法律が分かりにくい理由②
2021.12.9
幣所ホームページをご覧いただきありがとうございます。
法律を読んでみると感じることと思いますが、とても分かりにくいです。
その理由の一つが、前回お話しした、「文言が抽象的であること」です。
そして、もう一つ、法律が分かりにくい理由があります。
それは、法律は「1条から読んでも頭に入ってこない」ということです。
民法で考えると、頭に思い浮かぶ典型的な民法を使いそうな場面としては、売買や消費貸借が挙げられます。
また、不法行為に対する損害賠償などもあるでしょうか。
しかし、これらの条文は、民法の中では後半に位置しています。
売買は民法555条、不法行為は709条と、かなり後ろの方に定められています。
では、これらの条文よりも前に定められているものは、売買や不法行為と関係ないのかというとそうではありません。
信義則(1条)、公序良俗(90条)等、売買や不法行為を考えるうえでも重要な要素が前半にあります。
つまり、法律は、広く一般的な共通ルールを前に定め、その後に個別ルールを定めるという作りになっています。
刑法も同じです。人のものを盗む窃盗は235条、人を傷つける傷害は204条等、刑法の中でかなり後ろの方に定められています。
これは法律を作る側で考えてみると分かります。すべてのものに共通するルールを前の方に書いておけば、個別の問題について個別に定める必要がなくなります。
法律は、こうしたつくりになっているため、前から読むと理解しにくいのです。
法律を読む際には、個別の事案を思い浮かべながら読むと理解しやすくなります。
お読みいただきありがとうございました。