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法律上の「未成年者」について
2021.11.1
幣所ホームページをご覧いただきありがとうございます。
昨日、衆議院議員総選挙が行われました。
皆さんは投票に行かれましたでしょうか。
さて、現在の法律では、投票権(選挙権)は18歳以上の人に認められています(公職選挙法9条1項)。
以前は選挙権は20歳以上の人のみでした。
しかし、公職選挙法が平成27年(2015年)に改正され、平成28年(2016年)6月から、18歳以上の人に選挙権が認められるようになりました。
つまり、選挙制度上は、18歳以上が「大人」として扱われるようになっています。
ところで、民法上での「大人」、つまり成年者は何歳からでしょうか。
法改正のニュースで18歳未満が「未成年」、18歳以上が成年となる旨を聞かれた人もおられるでしょう。
確かに、民法改正により条文上は「年齢18歳を以って成年とする」と定められています(民法4条)
しかし、この条文は、現在(2021.11)まだ施行されていません。
令和4年(2022年)4月1日から施行されます。
つまり、現在の民法では、「未成年者」とは、これまで通り20歳未満の人を指しています。
20歳未満の人の法律行為(契約等)は、民法上は行為能力がないものとして親権者等による取消が認められます。
現在18歳、19歳の人は、選挙制度上は大人、民法上は未成年ということになります。
少し不思議な状態ですね。
来年の4月からは選挙権、民法のいずれも18歳以上が「大人」として扱われることになります。
ただ、少年法では、「少年」とは20歳に満たない者と定められいます(少年法2条)。
少年法の改正は国会で議論されていて、まだ正式には決まっていません。
いずれは18歳で統一されるかもしれませんが、少年法はこのままの可能性もあります。
現在の法律的には「未成年」とは何歳を指すのか統一されておらず、あいまいな状態になっていると言えます。
お読みいただきありがとうございました。
一歩法律事務所
弁護士 南 陽輔